障がいを持つ方が、就職に向けて訓練を行う「就労移行支援」。
就労移行支援の利用期間はトータル2年です。
2年というと長いようですが短い期間です。
何かしらの事情で十分に訓練が出来なかった場合、延長ができる場合がありますのでその手続きなどを確認していきます。
就労移行支援は誰でも延長ができるのか?
就労移行支援は原則2年間という期間の制限がありますが、自治体によっては2年を過ぎても継続して利用できる場合があります。
しかし、誰でも2年以上延長出来るわけではありません。
各地方自治体と事業所により延長利用をした場合、就職の見込みがあると判断された方のみが延長対象となります。
就労移行支援の延長手続き
就労移行支援等のサービスは自治体から提供されています。
そのため、就労移行支援の延長を希望する場合には、自宅のある自治体の福祉窓口に申請をします。
利用中の就労移行支援事業所で延長申請のサポートも可能です。延長をしたいと思ったら、まずは利用中の就労移行支援事業所に相談をしましょう。
申請の手順は以下の通りです。
就労移行支援事業所(もしくは個人)が延長申請書を作成し市町村へ提出する
市町村が延長認定審査会にかけ、審査する
審査で延長申請の妥当性が認められれば支給決定される
このようなステップが延長申請から延長認定までの一般的な流れです。
就労移行支援の延長は認められれば可能ではありますが、実際には3年目の延長申請は通りにくいとも言われており、2年間のサポートの間で就職を実現するという目標が非常に大事です。
就労移行支援の延長ができない場合
就労移行支援の延長が出来なかった場合他の選択肢もあります。
就労移行支援事業所の2年間の利用の末、就職に至らなかった場合には、就労継続支援への移行を勧められるケースもあります。
就労継続支援とは
就労継続支援制度とは就労移行支援制度と似ていますが、中身は異なります。
就労継続支援は現時点での一般企業での就職が難しい、もしくは意志がない障害や難病を抱える方が対象となる制度です。
就労継続制度利用者にはビジネススキルのトレーニングや働く場所を提供することでの経験を通して就労するための力を養うことを目的として作られています。
就労移行継続サービスにはA型とB型があります。
就労継続支援制度にはA型とB型があります。それぞれの違いやメリット・デメリットについて説明します。
就労継続支援A型
対象となる方
- 原則18歳以上65歳未満。(但し、平成30年4月から65歳以上の者も要件を満たせば利用可能となった。)
- 身体障がいや知的障がい、精神障がい、発達障がい、難病がある方。
- 就労移行支援を利用したが、就職には結びつかなかった方
- 特別支援学校を卒業して就職活動をしたが、就職には結びつかなかった方
- 以前働いたことはあるが、現在は就労していない方
メリット
- 雇用契約を結ぶため、最低賃金の給料が保障される
最低賃金とは、地域別に定められており、厚生労働省HPの「地域別最低賃金の全国一覧」の下に掲載されています。
- 一般企業への就職者数が就労継続支援B型よりも多い
デメリット
- 事業所の数が就労継続支援B型に比べて少ない
- 65歳未満という年齢制限がある
就労継続支援A型の具体的な仕事内容
- データ入力等の事務作業
- インターネットオークション作業代行
- 車部品などの加工作業
- パッキング作業など
就労継続支援B型
対象となる方
- 身体障がいや知的障がい、精神障がい、発達障がい、難病がある方
- 50歳に達している方
- 障害基礎年金1級を受給している方
- 以前働いたことはあるが、年齢や体力の面で一般企業での就労が困難となった方
- 就労移行支援事業者などによる客観的評価で、就労面の課題が把握されている方
など
メリット
- 労働時間の縛りが少ないので、負担を少なくできる
- 年齢上限がない
- 事業所の数が就労継続支援A型よりも多い
デメリット
雇用契約を結ばないため、賃金ではなく成果報酬の「工賃」が支払われます。
就労継続支援B型の具体的な仕事内容
- レストランなど飲食店での調理
- 農作業
- パンやクッキーなどの製菓作り
- 部品の加工作業
- 刺繍などの手工芸など
就労継続支援B型の場合、障がいや体調に合わせて自分のペースで働くことができます。
どちらの事業所が合っているのか、まずは見学や体験に行ってみることをお勧めします。
まとめ
就労移行支援の利用期間は2年です。
延長が認められる場合もありますが、ほとんどの場合は難しくなります。
限られた期間の中で、自分自身を整えながら就職を目指すことを目標に利用をすることをお勧めします。